「マーケティング」と言う言葉、皆さんは一言で説明することができますか?
なんとなく知っている方は多いかと思いますが、明確に「マーケティングとは〇〇!」と回答できる方は少ないのではないでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、マーケティングとは何か?を一言で説明できるようになり、さらにはマーケティングの歴史を学ぶことで体系的に「マーケティング」というものを理解することができます。
では、早速「マーケティング」の解説をしていきます。
目次
マーケティングとは?
結論から言うと、マーケティングとは「売れる仕組みをつくること」です。
簡単な話、企業は【収入 – 支出(原価、人件費など)= 利益】で成り立っており、この「利益」をできる限り増やすために躍起になっています。
そこで「マーケティング」というものを最大限活用します。
極論、この「売れる仕組み」を完璧に構築することが出来さえすれば、「売り込む人」は必要ありません。そうすると人件費を削減することができ、利益が大きくなるのです。
例えば、飲食店では新規のお客様を捕まえるために、チラシ配り、SNSでの発信、グルメサイトへの登録、MEO対策、HP構築などを実施します。これらもマーケティングです。また、飲食店ではリピーター獲得が最重要な業態であるため、再来店してもらうためのスタッフ教育(おもてなし)、季節メニューの構築、クーポン配布など、リピーターに対して「売れる仕組みをつくる」という意味でマーケティングと言えるでしょう。
企業は、できる限り利益を高くできる「売れる仕組み」をつくるために、あらゆるマーケティング施策を実施しています。
マーケティングの種類
マーケティングは大きく分けると以下の3つになります。
1.マス・マーケティング
マス・マーケティングとは、不特定多数の消費者に対しプロモーションを行うマーケティングのことです。代表例として、テレビCMや新聞、雑誌などが挙げられます。多額のコストがかかるため、大企業が実践しやすい手法です。
2.ダイレクトマーケティング
企業と顧客、双方向からのコミュニケーションによって販売促進するマーケティング手法です。通信販売、通信教育、ECなどで利用されるケースが多く見られます。メールやSNSを利用して双方向性のコミュニケーションを展開する手法も、ダイレクトマーケティングの1つです。
3.ゲリラマーケティング
コストをかけずに、型破りな手法を用いるマーケティング手法です。製品やサービスの大きなインパクトを与え、サプライズによって顧客を獲得することが目的です。ネット・SNSでのバズを狙ったバズマーケティングも、ゲリラマーケティングの1つです。
その他
マーケティングの種類は日々増えていっています。まずは、上記3つのマーケティング手法を把握していれば良いかと思いますので、詳細な説明は割愛させていただきます。
・アウトバウンドマーケティング
・ソーシャルメディアマーケティング
・音声マーケティング
・メールマーケティング
・カンバセーションマーケティング
・ブランドマーケティング
・ステルスマーケティング
・アカウントベースドマーケティング
・ビデオマーケティング
・リレーションシップマーケティング
・オムニチャネルマーケティング
・ニューロマーケティング
・コーズマーケティング
・炎上マーケティング
・フィールドマーケティング
・カスタマーマーケティング
・口コミマーケティング
・インバウンドマーケティング
・デジタルマーケティング
・SEM
・コンテンツマーケティング
・バズマーケティング
・インフルエンサーマーケティング
・アクイジションマーケティング
・コミュニティマーケティング
・パーソナライズドマーケティング
・ユーザー生成マーケティング
・ネイティブマーケティング
・アフィリエイトマーケティング
・パートナーマーケティング
・製品マーケティング
・近接マーケティング
・イベントマーケティング
・体験型マーケティング
・インタラクティブマーケティング
・グローバルマーケティング
マーケティングの歴史
マーケティングの概念や手法は、時代に合わせて年々変化しています。
コトラーが提唱した「マーケティング1.0」から「マーケティング4.0」までを知っていただければ、時代とともに変化しているマーケティング概念を理解することができます。
難しい概念には触れず、超わかりやすい解説のみでご説明していきます。
マーケティング1.0 (1900〜1960年代)
マーケティング1.0では「製品を安く売り、利益を最大化する」ことを中心に考えられてきました。
マーケティング1.0の概念は「製品中心のマーケティング」です。需要が供給よりも多かった1900年代は、「より安くすれば売れる」という概念が浸透していました。
マーケティング1.0時代において、企業の活動で利益を最大化するためには、製品の価格を下げることで買っていただくお客さまを増やす必要がありました。つまり、価格弾力性のしくみで需要を増やすことがマーケティング1.0の中心的な考え方です。
4Pモデル
マーケティング1.0では、「4Pモデル」というフレームワークが使われるようになりました。どのような製品(Product)を、どこ (Place) で、いくら (Price) で、どのように宣伝 (Promotion) して、売るかを考えるフレームワークです。
マーケティングの4Pモデルは、現代でもマーケティングの基礎中の基礎の考え方であり、マーケティングを学ぶと1番初めに学ぶフレームワークの1つです。
マーケティング2.0(1970〜1980年代)
1970年代になると、技術発展により、製品を安価に作れるようになり、市場の価格競争が進みました。
似たような製品が市場に多く出回るようになり、市場の競争がますます進みます。
買い手は似たような製品の中から購入する製品を選択するようになり、企業優位の「作れば売れる」時代は終わりを迎え、買い手志向のマーケティングにシフトしていきました。
買い手志向へのシフトで誕生したのが「STP分析」です。
STP分析
STP分析は、マーケティングの4Pと並んで、よく知られたマーケティングのフレームワークです。
S egmentation:ニーズを分ける
T argeting:人を分ける
P ostioning:市場ポジション
例)QBハウスのSTP分析
S(ニーズを分ける):カットのみの専門店
T(人を分ける):散髪に時間とお金をかけたくない層
P(市場ポジション):専門性(カットのみ)が高く、安価
マーケティング3.0(1990〜2000年代)
1990年代以降は、市場にモノがあふれ、企業間競争は激しさを増していました。
一方で、企業における環境や教育などに取り組む企業が出てきました。一見売り上げに関係のない取り組みである「環境や教育への配慮」それこそがマーケティング3.0の象徴の1つです。
環境問題や社会問題が世間に認知されるようになったことにより、企業は、より良い「環境づくり」や「社会づくり」に力を入れるていきました。これが1つのブランド力の指標となりました。
顧客は「環境に良い」「エコ」などの社会貢献性の高い商品を手に取る傾向が高まっていきました。それに加え、国としても社会貢献性の高い商品への優遇措置(エコカー補助金等)が実施されたことで、この動きはさらに加速していきます。
マーケティング4.0(2010年代〜)
2010年代になると、市場には社会貢献性の高い製品が増えてきました。
マーケティング4.0の概念は「自己実現のマーケティング」です。「環境への配慮」のような社会的価値だけでなく、「自己実現」のような精神的価値を満たす製品が求められるようになっていきます。
近年は、SNSなどの普及により、買い手が自ら情報発信をできる環境が整ってきました。多くの消費者が、自分で買った商品をSNSを通じて情報発信しています。
そのため、企業のマーケティング活動は製品購入までのプロセスだけでなく、買い手の購入後のプロセスまで考える必要が出てきました。
5a理論
5a理論は、認知(Aware)、訴求(Appeal)、調査(Ask)、行動(Act)、奨励(Advocate)という5つの段階から成り立つフレームワークです。
マーケティング4.0の目標は、製品を認知してもらうだけでなく、製品・会社のファンになってもらい、顧客自ら製品の推奨をしてもらうことです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
マーケティングの基本的な手法から歴史まで、根幹を知っていただけたかと思います。マーケティングはあらゆるものの派生で新たなものが生まれています。
しかし、大原則は「売れる仕組みをつくること」に集約されます。
是非、これらの知識が今後のご活躍の一助となりましたら幸いです。